こんにちは、 @kz_morita です。
圏論について入門する記事の三回目です.
前回の記事はこちら.
集合圏 Set とは
一つの集合を対象とし,集合間の写像を射とする圏のことです.
集合 A を 集合 B に移すような写像を $f: A \to B$ と書き,写像 $f$ は,$f(a) = b$ と表せるように,集合 A の要素 a を ただひとつの集合 B の要素 b に移すような関数を指します.
具体例でいうと,整数全体 $\mathbb{Z}$ を自然数全体 $\mathbb{N}$ に移すような写像 $f(x) = x^2$ などを考えることができます.
写像についておさらい
写像に大きく分けて以下の 3 つがある
- 単射
- 全射
- 全単射
単射
単射の定義は,以下の通りです.
$$ a \neq a' \ ならば \ f(a) \neq f(a') $$
集合 A の各要素がそれぞれ別の集合 B の要素に移されるような写像です.(同じところに移らない)
全射
全射の定義配下のとおりです.
$$ 任意の \ b \ で \ b = f(a) \ が成立する $$
どういうことかというと,B のすべての要素に対しての写像が存在する写像です.
全単射
全単射は,全射の条件 + 単射 の条件で,異なる集合 A B 間のすべての要素が 1 対 1 対応しているような写像です.
すべての要素が 1 対 1 に対応しているため逆向きの写像も必ず存在します.
逆写像とよび,$f^{-1}$ のように表します.
圏としての集合
圏として考えるために,合成と恒等射について考えます.
合成
合成は,以下のように考えます.
$$ f \circ g = g(f(x)) $$
プログラムと同様に,内側から適用されていくイメージです.
恒等射
集合 A から 集合 A への恒等射 $1_A$ は,以下のように考えます.
$$ 1_A (a) = a $$
同じ要素に移す写像です. また,全単射の場合には,
$$ 1_A = f \circ f^{-1} $$
となります.
まとめ
今回は,集合を圏の 対象と考える集合圏 Set について記載しました.
次はモノイドあたりについて書いていこうと思います.