圏論への入門 モノイドとモノイドの圏
こんにちは、 @kz_morita です。
圏論について入門する記事の4回目です。
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圏論への入門 圏論とは 圏論への入門 圏の例としての順序集合 圏論への入門 集合圏 Set モノイドとは モノイドとは、圏において対象がただ1つの圏のことを指します。
例としてあげると、実数 $\mathbb{R}$ (の集合) を対象とし加算を射とするような圏があげられます。
どんな加算をしても $\mathbb{R}$ の要素となるため対象は1つで、射が複数あります。
また、モノイドは対象が1つのため実質的に射の集合として捉えることができます。 前述の例だと、以下のような射の集合と考えられます。
$$ X = \lbrace +0, +1, +2, +3, … \rbrace $$
また、対象が1つであるためどの2つの射でも合成ができ、合成結果もモノイドの射の集合の要素となります。これを、モノイドの射の集合 $M$ をもちいて以下のように表します。
$$ \circ : M \times M \to M $$
$M \times M$ は集合の直積 ($M$ の要素すべての組み合わせ)を表し、それが $M$ への写像であるということです。
また、恒等射も考えることができます。
上記の射の集合の場合、$+0$ は恒等射ということができそうです。
モノイドの定義を圏論的に考えると以下のようになります。
モノイドは次の3つの組み合わせの事を言います。
$(M, \circ, 1_M)$
M は 集合 $\circ$ は、$\circ: X \times X \to X$ となる M上の演算 $1_M \in M$ となる M の元 となり、下記の満たすものです。