『エンジニアリング組織論への招待』を読んだ

2024年4月21日 engineering

こんにちは、 @kz_morita です。

今回は 『エンジニアリング組織論への招待』 を読んだので感想を書きます。

書籍について

書籍名は、 『エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング』 で、技術評論社さんの方から発売されています。

以下のような内容になっています。

Chapter 1 思考のリファクタリング
1-1 すべてのバグは,思考の中にある
1-2 不確実性とエンジニアリング
1-3 情報を生み出す考え方
1-4 論理的思考の盲点
1-5 経験主義と仮説思考
1-6 全体論とシステム思考
1-7 人間の不完全さを受け入れる

Chapter 2 メンタリングの技術
2-1 メンタリングで相手の思考をリファクタリング
2-2 傾聴・可視化・リフレーミング
2-3 心理的安全性の作り方
2-4 内心でなく行動に注目する

Chapter 3 アジャイルなチームの原理
3-1 アジャイルはチームをメンタリングする技術
3-2 アジャイルの歴史
3-3 アジャイルをめぐる誤解
3-4 アジャイルの格率

Chapter 4 学習するチームと不確実性マネジメント
4-1 いかにして不確実性を管理するか
4-2 スケジュール予測と不確実性
4-3 要求の作り方とマーケット不安
4-4 スクラムと不安に向き合う振り返り

Chapter 5 技術組織の力学とアーキテクチャ
5-1 何が技術組織の“生産性”を下げるのか
5-2 権限委譲とアカウンタビリティ
5-3 技術的負債の正体
5-4 取引コストと技術組織
5-5 目標管理と透明性
5-6 組織設計とアーキテクチャ

感想など

この本を読もうと思ったきっかけは、普段エンジニアリングをしている中で組織についてやメンタリングについて興味を持ったことです。 本自体は以前から気になっていたしかなり有名な本であるので読んでみようと思いました。

本の内容としては、問題解決における不確実性というテーマを扱っています。 それらのテーマを、自分自身の思考 -> 相手の思考 -> チーム -> 組織 という各スケールに応じてどう対処していくかという点が書かれていました。

特に自分が良かったと思ったのは前半2つの自分自身の思考というところと、メンタリングにより相手の思考をリファクタリングするといった内容でした。

何らかのプロジェクトで開発をしていると、どこかで見積もりなどをするタイミングがありますがその際に不確実な事だらけの中でどのように見積もりを考えるかなど参考になります。 書籍の中で紹介されている不確実性のコーン (プロジェクトの終盤になるにつれて見積もりの精度が上がっていく図) にある通りに、新規開発のプロジェクトなどでは実際に試してみないことにはよくわからないということが多々あります。 そういったときに、とりあえずやってみて経験を積むという、経験的思考が非常に重要という話には非常に共感しました。

チーム開発を行う上で、コミュニケーションにも不確実性があるみたいな話も非常に参考になります。 また、Chapter 2 では主にメンタリングを行う上での Hot to レベルの具体的な Tips もたくさん盛り込まれていて非常に役立ちそうだと思いました。

おわりに

今回は書籍の感想を書きました。

新規プロジェクトなど経験すると起こりがちな、あるあるな問題に対してどのように立ち向かっていくかという点が書かれていてよかったです。 定期的に読み返すとそのたびに学びが得られそうな本だと思います。

チームや組織に対してもエンジニアリングしていきたい方などにとっては非常におすすめな本だと思いました。

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