『開発者とアーキテクトのためのコミュニケーションガイド ―パターンで学ぶ情報伝達術』を読んだ

2025年6月29日 engineering

こんにちは、 @kz_morita です。

今回は、書籍『開発者とアーキテクトのためのコミュニケーションガイド ―パターンで学ぶ情報伝達術』を読みました。感想などを書いていきます。

書籍について

書籍『開発者とアーキテクトのためのコミュニケーションガイド ―パターンで学ぶ情報伝達術』は、開発者やアーキテクトが効果的にコミュニケーションを行うためのパターンについて紹介されていました。

以下が目次です。

目次
推薦のことば
はじめに

第I部 視覚的コミュニケーション

1章 コミュニケーションの基礎
2章 ごちゃごちゃをすっきりと
3章 アクセシビリティ
4章 ナラティブ
5章 表記法
6章 構成

第II部 マルチモーダル・コミュニケーション

7章 文章コミュニケーション
8章 言語コミュニケーションと非言語コミュニケーション
9章 レトリックの三角形

第III部 ナレッジを伝達する

10章 ナレッジマネジメントの原則
11章 ナレッジと人
12章 効果的なプラクティス

第IV部 リモートでのコミュニケーション

13章 リモート・タイム
14章 リモートの原則
15章 リモートチャネル
16章 エピローグ

付録A ADR テンプレート

訳者あとがき
索引

感想など

この書籍では、まず第一部で図などを用いた視覚的なコミュニケーションについて話されていました。

視覚情報をどの様に伝えるかみたいな話や、C4 model についての話などがあり非常に参考になる部分が多かったです。特に日ごろから figma などを用いてアーキテクチャ図を描くことが多いため情報の抽象度や誰のためのドキュメントかなどを考えながら描く重要性など非常に参考になりました。

また、第二部では文章や言語についてのコミュニケーションについて話されていました。 文章については、技術的な文書を書く上でのバイブルとも言える、『理科系の作文技術』と通づるところもありシンプルでわかりやすい文章を書くためのポイントが紹介されていました。 言語のコミュニケーションについては、レトリックの三角形 (エトス、パトス、ロゴス) についての話があり、説得力のあるコミュニケーションを行うためのポイントが紹介されていました。

第三部では、ナレッジを伝達するための方法について話されていました。 特に、早期にフィードバックを得ることの重要性とそのための手法である ADR について紹介されていました。ADR は、アーキテクチャの決定を記録するためのドキュメントであり、チーム内でのナレッジ共有や意思決定の透明性を高めるために非常に有用な手法です。実際に今のプロジェクトで ADR を運用していますが早期フィードバックの重要性はひしひしと感じています。

第四部では、リモートでのコミュニケーションについて話されていました。 とくにオフショアなどタイムゾーンが異なるチームとのコミュニケーションについての話や、リモートとオフィスのハイブリッドなコミュニケーションについて記載されています。 リモートワークの人と、オフィスワークの人が混在している環境のためそのコミュニケーションの難しさは痛感しています。リモートファーストな仕組みを構築しないと難しいと改めて実感しました。

書籍を読んで、ドキュメントなどを含んだコミュニケーションのパターンやアンチパターンが記載されていて良い本でした。 定期的に読み返したい本です。

この記事をシェア